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2010年5月11日 (火)

北九州医療刑務所へ。

今日はゼミで北九州医療刑務所へ行ってきました!



医療刑務所とは簡単に言えば罪を犯した精神障がい者を
収容している刑務所で全国に5か所あります。
罪…といっても殺人、強盗など重大な犯罪を犯した人を
対象にしています。

施設は最近建て替えをしたらしく
とてもキレイでした。 本当、普通の病院って感じ。

ここで精神科の医師や看護師や職員の方々が
毎日受刑者のケアを行っているわけです。
医師による治療、キレイなお布団、バランスのとれた食事、
そしてなんとデイケアまでありました。

皆さんの中には「犯罪者にここまでする必要はない」って
考える人もいるでしょう。
私も見学に行くまでは
「憲法に基本的人権の尊重が規定されているから
犯罪者といえども最低限は保証しなければ」
…くらいにしか思っていませんでした。
だから誰かに
「いくら憲法にそう書いてあるからって納得できない」って
言われたら反論できなかった。

でも今日、施設の見学に行って
「犯罪者は環境が作り出し、
そして、彼らを救うのもまた環境なんだな」と思いました。

今回行った北九州医療刑務所には、
精神障がい者が収容されていると前記しましたが
一例で紹介された彼らの生い立ちは本当に
目を背けたいくらい悲惨なものでした。
そして家族に見捨てられ、社会にはじかれ、
一個人として相手にされない生活をしか送れず
ついに犯罪に手を染めてしまった人々でした。

彼らを犯罪者にしてしまったのは
ハンデを持った人々の受け皿としての社会を
きちんと構築できなかった私たちなんだ、と感じました。

だから今さら遅いかもしれないけど
罪を犯してしまった後のケアをきちんとして、
社会復帰させて、
今までとは違う人生を歩むことができるように
できるかぎりサポートするべきなんだと思う。


人として相手にされなかった人たちを
「あなたはかけがえのない人間ですよ」という気持ちで
接している医師や看護師、職員の方々がいて、
満足にできなかった勉強ができて、
精神病の治療もできて、
やっと人としての生活を手に入れた受刑者の方々は
本当に良い顔をしていました。
「ここにいる人たちは本当に重大な犯罪を犯した人なのか」
と思うくらい。

刑務所という最終地点でやっと笑顔を手に入れた、
というのは皮肉なことだけど
刑務所はなにも罰だけを
与える場所じゃないんだと実感しました。

普通に健常者が入る刑務所でもそうだと思うんです。
きっと彼らも世間にはじかれ
ちゃんと評価されず、正すべきところを指摘してくれる
人がいないから、フラストレーションを
犯罪という形でぶつけてしまったんだといます。



今回の見学で学んだことは

生まれた時は誰でも犯罪者になりうる。
しかし真に犯罪者を作り出すのは社会の歪みである。

ということです。


みなさんも塀の中のこと、社会のこと、そして
罪を犯してしまった人たちのことを
少しでも考えてくれたら…と思います。


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ヒトリゴト」カテゴリの記事

コメント

ほんとにそうですね。
誰でも、環境によって犯罪をおかしてしまうのだと思います。
私も、去年は犯罪をおかすことはないにしても
母を道ずれに・・・って考えてしまった時がありました。
それだって無理心中で犯罪なのですよね。
その時はたくさんの人たちの優しさのおかげで
犯罪をおかさずにすみましたが
その人たちがいてくれなかったらどうなっていたのか
自分でもわからないくらいです。

人の優しさは、何物にも代えがたい素晴らしいエネルギーをあたえてくれるものだと
とても実感しました。
犯罪を完全になくすことはこの世の中難しいことなのかもしれませんが
自分の身の回りの人たちに優しさを伝えていけたら・・・
そしたらそれがずっと広がっていって
犯罪の少ない世の中になれるのかも、と思うのは
私の考えが甘いのでしょうか・・・

投稿: いずみ | 2010年5月12日 (水) 11時14分

>いずみさん

去年は本当に大変でしたもんね…。
そういうときに支えてくれる人がいるかどうかが
分かれ目なのかも…と思います。
私も死について考えていた時期、ありました。
(いろいろ理由はありましたが…)
でも支えてくれた人がいたから大丈夫でした。

「自分の身の回りの人たちに優しさを伝えていけたら・・・
そしたらそれがずっと広がっていって
犯罪の少ない世の中になれるのかも……」

これが全ての始まりだと思います。

誰かに「周りの人に優しくしろ」なんて言っても
何にもならないですよね。
自分自身がお手本を示してそうして誰か一人でも
受け継いでくれたら、その輪が広がっていったら、
きっとよい社会に近づくと思います。

投稿: さくら | 2010年5月12日 (水) 12時59分

はじめまして!!
質問なんですか精神障害受刑者は増加傾向にあるんでしょうか??

投稿: ジャスティン | 2011年8月11日 (木) 21時19分

>ジャスティンさん

はじめまして^^
ありがとうございます*

精神に障害のある受刑者の増加傾向についてですが、
おそらくは少しずつ増加しているのではと思います。
(データが手元に無いのではっきりしたことは言えませんが…)

精神障害者ということは、
心神喪失・心神耗弱に該当することが多いので
不起訴処分になっている人もいるでしょうね。

犯罪白書などに統計があると思うので、参照してみてください*

投稿: さくら | 2011年8月14日 (日) 09時01分

悲惨な環境に育っても立派に生きている人はたくさんいますよ。
人として善悪の区別はつくもの。犯罪は犯罪。
さくらちゃん、同情してはいけませんよ。

投稿: | 2011年12月14日 (水) 13時23分

>12月14日にコメントして下さった方

はじめまして!
コメント、ありがとうございます^^

もちろん、
悲惨な環境でも立派にやっていってる方はたくさんいます。
犯罪は犯罪、というのもよくわかります。

でも「人としての善悪の判断」ができない人も
存在することは紛れもない事実だと思うのです。
たとえ、それが少数でも、社会から排除していいわけない。

精神の障害は本人の責任ではないですし、
「犯罪は犯罪」…ではあるけれど、
服役なりさせて、いつかは出所して、はい、さようなら……
それで本当に良いのでしょうか?

そんな処遇じゃ、同じことを繰り返すだけだと思います。
事実、累犯障害者の出所後の再犯率は6割に上っています。
これじゃあ、本人のためにも、社会のためにもならないのです。
そして、服役させた歳月の分、税金は無駄に使われる。

だったら、始めから二度と同じ罪を犯さないようケアすることに
税金を使った方が有意義だと思います^^

そういえば、12月14日に福岡高裁で累犯障害者に対して
執行猶予をつけるという、
福祉を重視した画期的な判決があったのを御存知でしょうか?
貴方がコメントを下さった、まさにその日の判決です。
何かのご縁かもしれませんし、判決文に目を通して見るのも
良いかと思います^^


投稿: さくら | 2011年12月15日 (木) 21時27分

はじめまして。

上の一連の文章、そしてその後の皆様とのやり取りをじっくり読んでふと思ったことなのですが、もし、ご自分の身内、もしくはごくごく近しい人が、医療刑務所に収容されたら自分はどう振る舞うだろうか?と考えたことは、ありますか?

投稿: こなきばばぁ | 2012年2月24日 (金) 21時17分

>こなきばばぁさん

はじめまして!
コメントありがとうございます^^

もしも、自分の身内や近しい人が医療刑務所に収容されたら…

そうですね、
実際にはいないので「たぶん、こうするだろう」としか
言えないのですが、
たぶん、他の人と接するのとほとんどかわらないと思います。

…というのも、昔からモットーが
「誰とでも分け隔てなく」なので、
たとえ医療刑務所に収容されてても
身内であれば身内として接しますし、
友人であれば友人として接します。

気持ち的には……
あまり人をこき下ろすのも好きじゃないので。。
気持ちもほとんどそのままかな~と思います*

こちらが誠意をもって接することが始まり…
と信じてますので^^

…って理想論ですよね^^;


何気なく書いた医療刑務所見学の感想ブログ、
思っていた以上に反響があって嬉しいです^^

ご覧になった方のご意見もうかがってみたいので、
「自分はこう思う」とか教えてください*

投稿: さくら | 2012年2月25日 (土) 21時50分

この記事がアップされてから期間が空いているのでご覧いただけるか分かりませんが読んでくださったら幸いです。

私は、弟が精神障害者です。
一年前、犯罪に手を染めてしまい北九州刑務所に入れられました。

家族に見捨てられたか、社会に受け皿がなかったから犯罪に手を染める、そんな方もいらっしゃるでしょう。

でも精神障害者である弟のケアが足りなかったかというと、、、
そうではありません。
父も母も兄弟も弟の言動に気を配りケアをしていました。
病院の送り迎え、薬の量、投薬時間、社会復帰のためのプログラム、すべてにおいて気を配っていました。

弟は深夜、家族が寝静まった後に犯行に及んだのです。

最初は精神障害者だから、弟だからといって許せることではありませんでした。
家族は、それぞれに仕事があり、上の兄姉には子供もいて近所に住んでいます。家族の仕事に支障をきたしたり子供がいじめられたりしたら、そんな嫌なことばかり考えていました。

あれから1年経ち、考えも少し変わってきました。
罪を犯したとしも弟は私の弟だし、血の繋がりや今まで生活してきた記憶は本物だということを感じてきました。
肉親を憎むのは、かなり辛いことですね。

罪を憎んで人を憎まず・・・。このことを考えています。

私の住んでいる県に医療刑務所はありません。
なので車で3時間もかかる北九州に移送されてしまいました。
医療設備のない刑務所にいるよりは良いことだと思います。

私と弟は1年間会っていません。
明後日、ゴールデンウィークを利用して両親と会いに行きます。

北九州医療刑務所を調べているうちにたどり着きました。
さくらさんのブルグを拝見させていただきまして、弟が医療設備が整った場所でキチンと生活していることが分かりました。
ありがとうございました。

投稿: yumenikki | 2013年4月30日 (火) 18時07分

yumenikkiさん

こんにちは、はじめまして♪
ずっと更新をサボっているブログにコメントくださって恐縮です。

弟さん、北九州医療刑務所にいらっしゃるんですね。
何があったのか存じ上げませんが……yumenikkiさんはじめ、ご家族もさぞ驚かれ、悲しい思いをされたことでしょう。

文面からは、家族みんなで正面から弟さんと向き合って支えてきたことが窺えます。
精神・身体関係なく「障がい者」と向き合うことをしない人、諦めてしまう人もいる中、本当に素敵なご家族ですね^^

血が繋がっているからこそ、思うところもあると思います。
「子どもが嫌な思いをするんじゃないか」、「職場で何か言われないか」……
そして、ふとした瞬間に「今までしてきたことは正しかったのか」と、ご自分を責めてしまったりもしたのではないでしょうか。

でも、yumenikkiさんのおっしゃる通り、今まで弟さんと過ごしてきた時間は何物にも代え難いものだと、私も思います。
その時間が、心に溜まったものを少しずつとかしてくれると信じています。
(…って若輩者がわかったようなことを…!!すみません。。)


余談ですが…
北九州医療刑務所では中庭でうさぎを飼ってるんです。
(見学のときに遊んだ・笑)
「yumenikkiさんの弟さん、あのうさちゃんと遊んだりしてるのかな~」とちょっと思いました^^

長文になってしまってごめんなさい。
…読んで下さったかわかりませんけど…(笑)

実際に医療刑務所をご覧になった感想もお聞かせくだされば嬉しいです!

投稿: さくら | 2013年5月11日 (土) 14時41分

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